2012年11月23日金曜日

EM200B 導入支援装置自作(9) -Stellariumプラグイン-

導入支援装置のStellariumプラグインを作成しました。手順としては、

  1. 望遠鏡である星1を視野に導入
  2. Stellariumでその星1を選択し、導入支援装置へ伝達(USBによるシリアル通信)
  3. 星2を視野に導入
  4. Stellariumで星2を選択し、導入支援装置へ伝達(USBによるシリアル通信)
  5. 以後、Stellarium上に円が表示され、望遠鏡の指しているところがリアルタイムに更新される
というふうになっています。ExampleDialogという、Stellariumのサンプルソースをそのまま使ったので、ダイアログタイトルとかそのままですが、とりあえず、作ったものを残しておきます。(dsc08.zip, ExampleDialog.zip)

Stellariumプラグイン
ダイアログボックス

動作している様子
赤丸が望遠鏡の指しているところです


ついでに、動作しているところの動画をアップしておきます。


2012年11月17日土曜日

遠征

久しぶりの投稿です。先週末の金曜日(2012/11/09)から旭高原元気村へ行って来ました。本当はM33を撮りたかったのですが、ここは名古屋の光害がひどいため、子午線を超えたら西側はまずダメです。なので、東から登ってきたばかりのM42と馬頭星雲を狙いました。M33は来年へおあずけですね。

2012/11/09 23:08〜
ε160 Canon 20D フィルターレス改造
ISO800 5min x 2 + 7min x 6
Takahashi EM-200B
2012/11/10
ε160 Canon 20D IDAS LPS-P2
ISO800 7min x 5
Takahashi EM-200B

馬頭はもっと露出をかけたかったのですが、月が昇ってきてしまったためにタイムオーバー。また狙いたいです。そうそう、導入支援装置ですがStellariumのプラグインも作りました。近いうちに動作しているところを公開します。

2012年10月5日金曜日

フォーカス微動装置の改善

先日作成したフォーカス微動装置で、L字に曲げたアルミ板の剛性が足らなかったものですから、10mm厚のアルミブロックに穴開けとフライス加工をして剛性を高めてみました。接眼部についていたカバーを取り外し、軸押さえの部品(2点止め)をむき出しにしてそこにブロックを取り付けています。

剛性はかなり高くなり、良い感じに仕上がりました。あとは実戦投入して試してみたいと思います。

2012年9月28日金曜日

フォーカス微動装置の自作

またまた自作します。知人がFS-60CにMEF-3を取り付けたというので、羨ましく思っていたんですが、あるWEBサイトで微動装置を自作されている方を発見しました(こちら)。とても良くできていらっしゃるので同じ物が作れないだろうかと考えていたのですが、バーニアダイアルなるものが今日ではなかなか入手が難しそうだということが分かって来ました。これは昔、アマチュア無線の無線機のチューニングパーツとしてよく使われていたもののようです。現在はデジタル化され、このような減速機は必要なくなってしまい、製作していた会社も多くは廃業されているとか。しかし、WEBサイトを漁ること1時間。ようやく見つけました(TMT SERVICE)。これを使って自作したいと思います。お値段も1個¥2,300とMEF-3の1/10で購入できます。

届いた部品はこんな感じ。自作されていた方と全く同じです。


同じように旋盤で軸を削り、ハンドルに穴をあけ、同じように加工しました。



微動側のハンドルは適当に転がっていた内径Φ6の歯車を使ってしまいました。

1点だけ異なるのは、バーニアダイアルを固定するのに先の方は接眼部にタップを立ててネジを切られているようですが、勇気がなかったのでアルミ板を曲げてネジ止めしてあります。1mmのアルミ板なので強度不足が否めません。5mm厚程度のアルミブロックを使うか、やはり接眼部へタップを切ったほうが良いかもしれません・・・。まぁ¥2,300にしては十分の出来栄えです。

ちなみに、失敗した時に備えてこのピニオンギアの付いた軸、ハンドルだけを販売してくれるのか高橋製作所に問い合わせたところ、「ε180と同じなのでお分け出来ますよ」とのこと。失敗せずに済んだのでよかったのですが、バックアップがあると安心して加工ができます。



2012年9月17日月曜日

EM200B 導入支援装置自作(8) -導入テスト-

もう先月のことになりますが、M27をベガとアルタイルを使ってキャリブレーションして導入してみました。M31とかM45のように見える天体を撮影使用とするならば、見えるので導入するのは簡単ですが、肉眼では見えないような天体はやはり導入支援が欲しくなります。テストは自宅の庭で行ったので完全に光害地であり、3分も露光してしまうと真っ白になってしまうぐらいの土地です。当然M27は肉眼では全く見えません。しかし2等星から3等星ぐらいなら何とかなるレベルですので、ベガとアルタイルでキャリブレーションします。
恒星の座標はStellariumをみて入力しました。

  • ベガを視野の中央に導入
  • Arduinoのシリアルデバッグコンソールからベガの座標を入力
  SetPosition 18:36:56 38:47:03

  • クランプを緩めて、アルタイルを視野の中央に導入
  • 同様にシリアルコンソールからアルタイルの座標を入力
  SetPosition 19:50:47 08:52:08

これでLCD上に現在、望遠鏡が向いている方向への座標が表示されています。次に、M27の座標である19:59:36 22:43:00 になるようにクランプをゆるめ大まかに向け、コントローラ微調整します。実際には、分解能が細かくないのでぴったりこの座標になることはありませんが、できるだけ近くなるように微調整して導入します。この手順で2回試して撮像したM27が以下のようになりました。

EM200B+自作導入支援装置にて導入したM27
ε160+EOS 40D無改造
2012/08/19 21:23 ISO800 60sec


どちらも無改造のEOS 40Dで、JPEGの撮って出し画像です。ダークもフラットも処理していません。2回とも視野に収まっており、ここまで導入できれば問題なさそうです。
あとはStellariumのプラグインが作れれば良いのですが、なかなか作業が進みません(汗)。

    2012年9月11日火曜日

    EM200B 導入支援装置自作(7) -座標系変換プログラム-

    なかなか導入支援装置自作の投稿ができずにいます。忙しいです・・・。
    もう1ヶ月ほど前にはプログラムしているのに、その記録を残せないでいるという状態です。良くないですね。とりあえず、作成したプログラムを記録として残しておこうと思います。
    dsc06.zip


    • dsc06.ino : Arduinoメインスケッチ
    • AngleCalc : 座標変換クラス
    • Matrix : 3次元行列
    • RTClib : Real Time Clock クラス(RTClib-github)

    一応、これだけの処理が詰まってます。RTClibに関しては上記リンクから拾ってきたものです。それ以外は自力で記述しました。

    まず、Matrixクラスですが、これは3x3行列演算を行うためのクラスです。何も難しいことはやっていません。行列式を求めたり、逆行列を求めたり、3次元ベクトルとの乗算などをやることがこのクラスの責務です。

    次に、AngleCalcです。これはTaki's Homepageの「Equations for Pointing Telescopeを簡易実装したものです。このHomepageでは、経緯台でのAlt/AzとRA/DECの座標変換を行うことを前提に書かれていますが、3次元ベクトルの異なる座標系への変換ですので赤道儀に対しても使えると思い試して見ることにします。理想的なRA/DEC座標へ、赤道儀に取り付けたエンコーダカウンタから得られる座標系の値を変換することになります。要するに、エンコーダのカウンタから、RA/DECを取得することがこのクラスの責務となります。
    このクラスは、コンストラクタでRA/DECの分解能を渡します。その後、setPosition()関数にて、キャリブレーションに使用した星1の座標(pos1)、その時のエンコーダパルス(enc_pos1)、その時の時刻(t1)、星2の座標(pos2)、その時のエンコーダパルス(enc_pos2)、その時の時刻(t2)を渡してキャリブレーション完了となります。キャリブレーションが終了したら、getPosition()関数にエンコーダのパルス(enc)と時刻(t)を渡すことでRA/DECが得られることになります。

    RTClibはこの時刻を取得するために使用します。そもそもこの時刻が撮りたいがためにArduinoにRTCを載せました。

    最後にメインスケッチですが、まだ簡易的なものなのでArduinoの開発環境から接続するシリアル通信画面を使って制御するように組んで有ります。有効なコマンドは、

    • 時刻設定:SetTime yyyy/mm/dd hh:mm:ss 
    • 時刻表示:Time
    • RA/DEC表示:Pos
    • エンコーダカウンタ表示:Pulse
    • キャリブレーション1:SetPosition1 HH/MM/SS dd/mm/ss
    • キャリブレーション2:SetPosition2 HH/MM/SS dd/mm/ss
    です。時刻設定は24時間表記で設定します。キャリブレーション1・2はRA/DECをそれぞれ時分秒、度分秒で渡します。Time/Pos/Pulseはデバッグ用コマンドなのでどうでも良いです。現在の実装では、500[msec]ごとにエンコーダのカウンタを拾ってRA/DECを計算しLCDに表示させます。
    今回はとりあえずここまで。次回は先月デネブベガとアルタイルでキャリブレーション後、亜鈴状星雲を導入してみた時の精度について見てみます。

    2012年8月27日月曜日

    遠征

    おととい土曜日の夜に、豊田市の元気村へε160をもって出かけました。初めてのε160の出番です。GPVでは日が変わる頃まで雲が少し残る予報でしたが、23:00あたりから雲がなくなり元気村にしては素晴らしい星空が堪能できました。西は豊田・名古屋の光害でダメですが、東及び北ならば何とかなります。

    初めてですので、メジャーな天体を狙いました。M31とM45です。このε160にはフォーカスの微動装置がついていないため、フォーカス調整がしんどいです。やむなくライブビューのある、無改造40Dを使用しました。今回は「見える」天体ですので導入支援装置も必要ありません。設営に1時間、とりあえず撮ってみたM31とM45です。

    2012/08/26 EM200B赤道儀
    ε160+Canon40D無改造 ISO800
    300sec 12枚


    2012/08/26 EM200B赤道儀
    ε160+Canon40D無改造 ISO800
    300sec 10枚 + 450sec 3枚

    まず、オートガイドがうまく行っていません。RAがずれていってます。原因がよくわかりません。ガイド鏡をガイドマウントに載せていますが、剛性が足らないのかもしれません。ガイドカメラにQcam4000を使っていますが、ノイジーなのも良くなさそうです。
    次に、フォーカスが甘かったです。特にM31。更に、よく見ると光軸もズレているように思います。反射望遠鏡は初めてなのでどう判断して良いのかよくわかりませんが・・・。
    更に、気温が高かった(外気温20度ぐらい)せいもあって、画像自体にノイズがたくさん載っています。これに関しては今の機材では仕方ないですが、なんとか解決したいです。

    今回は、元気村にいらしていた方々に色々お世話になりました。次から次へと色々な天体を見せていただいたり、機材のことを色々お話させていただいたり・・・。夜なのでお顔まではわかりませんが、皆さんありがとうございました。

    2012年8月18日土曜日

    EM200B 導入支援装置自作(6) -Arduinoと周辺回路-

    ArduinoにLCDを取り付けてRAとDECを表示させようと思います。2つのReference Starでキャリブレーションした後は電源が入っていればRAとDECを表示し続けて欲しいため、RTCを搭載する必要があります。RTCは秋月で入手できるものもありますが、電源が落ちたら時刻を忘れてしまうためバッテリーとDS1307を搭載したもの共立エレショップで選択しました。バッテリー保持による時刻の精度はそれほど高くないようですが、まぁ念のためというところでしょうか。

    マトモな回路図を書こうとしたのですが、面倒だったのとドロー系ソフトを持っていないこともあり、GoogleDriveをつかって図形描画したものを以下に載せておきます。








    あとはReference Starを使ったキャリブレーションと、LCDへの表示、RTCからの時刻差分を考慮した座標変換あたりのソフトを組み込むことで使えるようになると思います。それはTaki's Home PageEquations for Pointing Telescopeが参考になりそうです。

    2012年8月4日土曜日

    EM200B 導入支援装置自作(5) -Arduinoプログラミング-

    先日Arduinoを購入したのには、プログラミングがしやすそうなことと、もう既にArduinoをつかって導入支援装置を作っている方がおり、そのプログラムが公開されているからです。
    Arduinoのプログラムはsetup()とloop()がエントリーポイントとして用意されており、setup()で初期化、loop()でループ処理を書けばOKです。しかし、ロータリーエンコーダの変化の取得は当然ながら割り込みで処理すべきであり、公開されている方のソースもそのように書かれています。

    まずはこのプログラムを利用させてもらい、エンコーダのパルスを拾ってみます。
    // DSC01
    #include 
    #include 
    
    const int    RA_enc_A  = 6;     // digital pin 6 = PD6
    const int    RA_enc_B  = 7;     // digital pin 7 = PD7
    const int    DEC_enc_A = 9;     // digital pin 9 = PB1
    const int    DEC_enc_B = 10;    // digital pin 10 = PB2
    const double RA_RES    = 500 * 2 * 44.0 / 11.0; // RA  500P/R * 4(A/B相) * (大プーリ歯数) / (小プーリ歯数)
    const double DEC_RES   = 500 * 2 * 40.0 / 11.0; // DEC 500P/R * 4(A/B相) * (大プーリ歯数) / (小プーリ歯数)
    long         DEC_pos   = DEC_RES/2; // initial position of encoders(DEC)
    long         RA_pos    = RA_RES/2; // initial position of encoders(RA)
    
    void setup()
    {
      Serial.begin(9600);
      // initialize the encoder inputs
      pinMode(DEC_enc_A, INPUT);
      pinMode(DEC_enc_B, INPUT);
      pinMode(RA_enc_A , INPUT);
      pinMode(RA_enc_B , INPUT);
    
      // Pin change interrupt control register - enables interrupt vectors
      //  Bit 2 = enable PC vector 2 (PCINT23..16)
      //  Bit 1 = enable PC vector 1 (PCINT14..8)
      //  Bit 0 = enable PC vector 0 (PCINT7..0)
      PCICR |= (1 << PCIE2);
      PCICR |= (1 << PCIE0);
    
      // Pin change mask registers decide which pins are enabled as triggers
      PCMSK2 |= (1 << PCINT23);  // arduino pin 7 = PD7 = RA  encoder A
      PCMSK0 |= (1 << PCINT1);   // arduino pin 9 = PB1 = DEC encoder A 
    
      // enable interrupts
      interrupts();
    }
    
    void loop()
    {
      delay(500);
      Serial.print(RA_pos, DEC) ; Serial.print(" "); Serial.println(DEC_pos, DEC);
    }
    
    ISR(PCINT2_vect){ 
      if (digitalRead(RA_enc_A) == digitalRead(RA_enc_B)) {
        --RA_pos;
        if (RA_pos < 0) {
          RA_pos = RA_RES - 1;
        }
      }
      else {
        ++RA_pos;
        if (RA_pos >= RA_RES) {
          RA_pos = 0;
        }
      } 
    }
    
    ISR(PCINT0_vect){
      if (digitalRead(DEC_enc_A) == digitalRead(DEC_enc_B))
      {
        ++DEC_pos;
        if (DEC_pos >= DEC_RES) {
          DEC_pos = 0;
        }
      }
      else
      {
        --DEC_pos;
        if (DEC_pos < 0) {
          DEC_pos = DEC_RES - 1;
        }
    }
    
    
    これで、500ms間隔にSerialPortに対してRA/DECのパルスカウントを表示するはずです。

    おっと、このプログラムを走らせるために組んだ回路を公開するのを忘れていました。また次回にでも回路を公開します。

    最終的には、Stellariumのプラグインまで作成しし、Stellarium上に現在望遠鏡が向いている方向のレチクル表示が出来ればいいのですが、結構面倒です。一旦キャリブレーションさえ出来れば、あとは単体だけでRA/DECの表示が出来ればそれでも十分なので、座標表示のためのLCDと時刻取得のためにRTCを搭載する予定です。

    2012年8月2日木曜日

    ε160

    2年ほど憧れては諦めて・・・を繰り返していたε160をついに購入するチャンスに恵まれて、買ってしまいました。実は購入したのは2週間ほど前。憧れの黄色い鏡筒です。



    うーん、早くこれで撮影してみたい。でも光軸調整とか出来るんだろうか?
    光軸調整用アイピースとか、コリメーターとかいずれ用意しなくては・・・。

    この鏡筒を載せるためのプレート、これも友人が作ってくれました。アルミプレート(A5052)なんて、100x100mmで500円から600円程度。200x200mmでもせいぜい2000円ぐらい。これに穴を開けたり、タップでネジを切ったりするだけなのに、マッチプレートとか購入すると1万円オーバー・・・。鏡筒バンドの上にも小さいプレートを作ってもらい、上下のプレートあわせて2000円程度でした。

    正直使いこなせるのか心配です。

    EM200B 導入支援装置自作(4) -ロータリエンコーダの取り付け-

    中耳炎にかかったりしてしまい、ちょっと倒れてました・・・。
    この間に、友人に頼んでミスミからタイミングプーリーとタイミングベルトを入手しました。ミスミには色々と使えそうなものがあるのですが、個人購入できません。そこで、会社経由で何とかしようとしたのですが、経理やら承認やら面倒なのでメカ屋の友人に相談したところ、「現金で買えるから頼んでやるよ」とのこと。その部品がやっと入手できたわけです。
    タイミングプーリーをEM200BのRA軸とDEC軸に取り付けるのですが、どちらもΦ44でプーリーにイモネジを打てるようにM3のタップを切ってあります。EM200Bの赤経ブロックの径やDEC側の径を考慮して、プーリーは以下のものを選定しました。
    • タイミングプーリー大(RA) ATP44XL025-A-H44
    • タイミングプーリー小(RA) ATP11XL025-A-H7
    • タイミングプーリー大(DEC) ATP40XL025-A-H44
    • タイミングプーリー小(DEC) ATP11XL025-A-H7
    • タイミングベルト(RA) TUN114XL025
    • タイミングベルト(DEC) TUN108XL025
    これらと先日組立たロータリーエンコーダブロックをEM200Bに取り付けます。まずはRA側。

    つづいてDEC側。

    プーリーの軸間距離が微妙なので、スペーサーを入れたりして距離を調整しています。遊びがあると当然ながら精度に影響しますので。

    この次は、Arduinoによるエンコーダパルスの取得と、座標計算プログラムです。

    2012年7月15日日曜日

    EM200B 導入支援装置自作(3) -ロータリエンコーダの取り付け-

    EM200Bにロータリエンコーダをどのようにつけるのか色々悩みましたが、木でモックを作ってみてメカ屋の知人に相談したところ、余ったアルミ材を使って作ってくれました。
    それが以下の写真です。

    先日購入した、HPのロータリエンコーダも取り付けてあります。軸は旋盤でこのロータリエンコーダに合うように削ってもらいました。これがEM200にどのように取り付けられるのかというと、以下のようになります。

    これで強度が足りるのかよくわかりませんが、足らないのであればそのときにでも考えます。両面テープとかそんなんではないかな?

    EM200にはRA/DECとも、M2.6のネジ穴があいています。これは昔の製品でパルステック社のロータリエンコーダ(アストロスケール)を取り付けるために用意されていたもののようです。これを利用して取り付けてみます。取り付けたところ、思ったよりもがっちり付いています。EM200Bの極軸望遠鏡の周りはφ44のようで、これはDEC側も同様です。ここにタイミングプーリーとタイミングベルトをつけてこのエンコーダの軸へRA/DECの回転を伝えてやろうかと思います。

    2012年7月10日火曜日

    EM200B 導入支援装置自作(2) -ロータリエンコーダ選定-

    RA/DEC軸から回転角度を得るために、ロータリエンコーダを使用します。これをどの様にEM-200Bに取り付けるかが大きな問題になります。なずな工作室のKATSUさんによれば、KHKのフレキラックを使われているようです。なるほど、これはいい手です。エンコーダはネミコンのロータリエンコーダを使われているようです。ネミコンのロータリエンコーダはオンラインショップで購入できるようで、価格は大体1個あたり ¥ 10,000オーバー。RA/DECの2個購入するとこれだけで予算いっぱいです。予算を考えると、1個あたり¥5,000程度で済ませたいところ・・・。

    そもそも分解能はどの程度必要なのでしょうか?

    仮に100P/Rのロータリーエンコーダの場合を考えてみます。ロータリーエンコーダは一般的にA相、B相の出力があり、$\frac{1}{4}$波長ずれて出力されます。これをArduinoにつなげて処理すれば、400tic/rの分解能でパルスが得られることがわかっています(参考

    400tic/rの精度ででとれた場合、天空上では
      $360^\circ/400=0^\circ54'00''$
    となります。これはどの程度なのかといえばStellariumでM42においてどの程度なのか示してみます。


    これでは甘すぎますね。1ticとれたら、M42をすっ飛ばすぐらいのズレが発生してしまうのでは全然ダメです。ギアやタイミングベルトのような機構を入れて分解能を上げてやる必要がありそうです。
    そうやって色々探しているうちに、最終的にHP(Avago Technologies)のHEDS5500というロータリーエンコーダを見つけました。RSで手に入ります。これならば、500P/Rで  4,590と値段も安い。ただし1つ問題が・・・。シャフトのサイズは1/4inchになっています。ちぇ、インチサイズかよ。RSへ確認したところ、mm単位のロータリーエンコーダはラインナップにはあるものの取り扱いは無いとか。シャフトは旋盤で削るなどして何とか出来るとして、このエンコーダに決定です。

    しかし、それでも500P/R・・・。M42の例でもその1/5程度ではまだ甘そうです。やはり何らかの機構を入れて分解能を上げる必要がありそうです。

    2012年7月9日月曜日

    EM200B 導入支援装置自作(2) -arduino購入-

    導入支援装置を自作するのには、
    • マイコン
    • ロータリエンコーダ(RA/DEC)
    • 歯車かタイミングベルトといった回転を得るための機構
    といったものが必要となります。前回、Arduinoにしようかなって事を書きましたが、早速購入しました。

    Amazonで\2,520でした。とは言え、マイコンプログラミングはこれまでにやったことはありません。しかしArduinoには統合開発環境みたいなものがネットからダウンロードでき、それを使って簡単にプログラミングできます。まずは試しにLEDを点滅させるという、簡単なサンプルプログラム(Arduinoではスケッチというらしい)を何処かからもらってきて動かしてみました。


    void setup() {
      // initialize the digital pin as an output.
      // Pin 13 has an LED connected on most Arduino boards:
      pinMode(13, OUTPUT);
    }
    
    void loop() {
      digitalWrite(13, HIGH);   // set the LED on
      delay(1000);              // wait for a second
      digitalWrite(13, LOW);    // set the LED off
      delay(1000);              // wait for a second
    }
    
    書いたら、コンパイルしてUSBでArduinoに接続し転送するだけです。こんなに簡単だとは・・・恐ろしいもんです。マイコンを使ってLEDを1秒間隔で点滅させる・・・。自分で回路作ってたら結構時間かかると思いますが、これだと2~3分で完了です。

    LEDをDigitalのNo13とGNDに 直挿し して動作させます。抵抗が無いことが不安でしたが、調べたところどうやらDigital13ポートには内部抵抗1kΩがついているようです。なので直挿しでOK。

    LEDを点滅させていても仕方ないので、ロータリエンコーダとこれを使って回転を得ることを考えなくてはなりません。次はロータリエンコーダの選定からです。

    2012年7月6日金曜日

    EM200B 導入支援装置自作(1)

    EM200Bは自動導入装置もなければ、ロータリーエンコーダによるRA/DECの位置を知ることもできないモデルです。自分で星図とファインダーで入れられるのであれば、赤道儀に求めるのはしっかり星を追ってくれる精度なのですが、それでもあると便利ですよね。
    カーナビも「んなもん、地図があれば十分だぜ」なんて思ってたんですが、やはりあると便利です。それと同じですね。

    そこで、導入支援装置を作っていこうかなと考えたわけです(自動導入ではないですよ、導入支援ね)。以前、ヤフオクにて7万以上で落札されていたような・・・。そんなに出せるならK-ASTECで改造してもらえばOKなのに・・・なんて思いながら、自作すればもっと安く出来るのでは?というのが発端です。

    基本的な仕様としては・・・
    • PCにつないで使用する
    • でも、単体でも動作させられると嬉しい
    • 安くしたい。出来れば2万ぐらい。せいぜい2.5万ぐらいまでかな。
    • PCとはUSB接続。さすがにRC232Cは古い。
    ってなところかと。マイコンに何を使うか迷いました。PIC/H8/AVRどれにするか?色々とネットを探すと、さすがに同じ事を考えている方はいるんですね。幾つか紹介されているのが見つかりました。

    まぁ何でも良いんですが、ロータリーエンコーダを2つつなげ無くてはならないこと、プログラミングしやすいことを考えて、arduino(AVR)を使おうかと思います。arduinoは開発環境も提供されていて、しかもC言語。PICだと場合によってはアセンブラとかめんどくさいことになるかもしれませんし。H8でも良いですが、USB-Serialをつなげてやったりとか面倒なので、全部載っているarduinoでいいやってことにします。価格もarduino Unoならば、Amazonで¥2,520ですし結構安いです。

    天体写真とか機材とか

    少し以前(2年ぐらい前かな?)から、小学生の頃好きだった天体関係の趣味に再びハマってます。かつては知識も技術も中途半端で、しかも星がよく見える場所へは自力でいけるわけもなく・・・。月と木星と土星を見てその写真をとったりするのが精一杯でした。大人になって自力で空の暗い場所へ動けるようにもなり、少しずつ天体写真も楽しめるようになってきたので試行錯誤の記録をつけようかと思います。

    まずは機材の紹介を。

    • 赤道儀 EM-200B
    2年弱前にスターベース名古屋で中古を購入。メーカーにて整備したてのものに偶然出会い、即購入。

    これを入手する前、星好きの上司にGPDを借りて遊んでました。GPDでもそれなりですが、EM200を手にするとその作りの良さや剛性の高さに驚きます。今の自分にはTemma程のものはオーバースペックかなと。このEM200Bも確か12万円ぐらいで手に入れましたが、必要にして十分だと思ってます。ただ、自動導入はできなくとも導入支援ぐらいはできると良いですね。今、ロータリーエンコーダを使った導入支援装置の自作を画策中です。
    • タカハシ メタル三脚
    CATにて中古を購入。三脚って意外と高い。でも、このブツを見るとその値段もわからないでもないですね。
    • 鏡筒 Pentax100SDUF
    ヤフオクにて中古品を落札。本当はε160が欲しいけどなかなか出回らないし、程度の良い物は結構高額で落札されているようです。まぁいずれ手に入れるっつーことで気長にお金貯めます。実はこれを手に入れる前に100EDUFを入手しましたが、やはり青ハロがひどく耐えられなかったので即売却。その後これを手に入れた経緯があります。ズボラな私にはメンテフリーな屈折は調度良いのかもしれません。


    • カメラ Canon EOS20D(自力改造)

    上司の持ち物です。上司も星好きで(最近はほとんど遠征もしてないらしいが)、上司が自分で改造したものです。改造はローパスフィルタ除去。確かにこれをやらないとあの赤いヤツはなかなか写ってくれません。


    他にもオートガイドのためのパソコンやWEBカメラなど細かいものがありますが、それはまたいずれ書こうかと思います。そもそもが筆無精なもので、このBlogも個人的メモといった意味合いのつもりで気がついた時に不定期に書こうかと思ってます。