2012年7月15日日曜日

EM200B 導入支援装置自作(3) -ロータリエンコーダの取り付け-

EM200Bにロータリエンコーダをどのようにつけるのか色々悩みましたが、木でモックを作ってみてメカ屋の知人に相談したところ、余ったアルミ材を使って作ってくれました。
それが以下の写真です。

先日購入した、HPのロータリエンコーダも取り付けてあります。軸は旋盤でこのロータリエンコーダに合うように削ってもらいました。これがEM200にどのように取り付けられるのかというと、以下のようになります。

これで強度が足りるのかよくわかりませんが、足らないのであればそのときにでも考えます。両面テープとかそんなんではないかな?

EM200にはRA/DECとも、M2.6のネジ穴があいています。これは昔の製品でパルステック社のロータリエンコーダ(アストロスケール)を取り付けるために用意されていたもののようです。これを利用して取り付けてみます。取り付けたところ、思ったよりもがっちり付いています。EM200Bの極軸望遠鏡の周りはφ44のようで、これはDEC側も同様です。ここにタイミングプーリーとタイミングベルトをつけてこのエンコーダの軸へRA/DECの回転を伝えてやろうかと思います。

2012年7月10日火曜日

EM200B 導入支援装置自作(2) -ロータリエンコーダ選定-

RA/DEC軸から回転角度を得るために、ロータリエンコーダを使用します。これをどの様にEM-200Bに取り付けるかが大きな問題になります。なずな工作室のKATSUさんによれば、KHKのフレキラックを使われているようです。なるほど、これはいい手です。エンコーダはネミコンのロータリエンコーダを使われているようです。ネミコンのロータリエンコーダはオンラインショップで購入できるようで、価格は大体1個あたり ¥ 10,000オーバー。RA/DECの2個購入するとこれだけで予算いっぱいです。予算を考えると、1個あたり¥5,000程度で済ませたいところ・・・。

そもそも分解能はどの程度必要なのでしょうか?

仮に100P/Rのロータリーエンコーダの場合を考えてみます。ロータリーエンコーダは一般的にA相、B相の出力があり、$\frac{1}{4}$波長ずれて出力されます。これをArduinoにつなげて処理すれば、400tic/rの分解能でパルスが得られることがわかっています(参考

400tic/rの精度ででとれた場合、天空上では
  $360^\circ/400=0^\circ54'00''$
となります。これはどの程度なのかといえばStellariumでM42においてどの程度なのか示してみます。


これでは甘すぎますね。1ticとれたら、M42をすっ飛ばすぐらいのズレが発生してしまうのでは全然ダメです。ギアやタイミングベルトのような機構を入れて分解能を上げてやる必要がありそうです。
そうやって色々探しているうちに、最終的にHP(Avago Technologies)のHEDS5500というロータリーエンコーダを見つけました。RSで手に入ります。これならば、500P/Rで  4,590と値段も安い。ただし1つ問題が・・・。シャフトのサイズは1/4inchになっています。ちぇ、インチサイズかよ。RSへ確認したところ、mm単位のロータリーエンコーダはラインナップにはあるものの取り扱いは無いとか。シャフトは旋盤で削るなどして何とか出来るとして、このエンコーダに決定です。

しかし、それでも500P/R・・・。M42の例でもその1/5程度ではまだ甘そうです。やはり何らかの機構を入れて分解能を上げる必要がありそうです。

2012年7月9日月曜日

EM200B 導入支援装置自作(2) -arduino購入-

導入支援装置を自作するのには、
  • マイコン
  • ロータリエンコーダ(RA/DEC)
  • 歯車かタイミングベルトといった回転を得るための機構
といったものが必要となります。前回、Arduinoにしようかなって事を書きましたが、早速購入しました。

Amazonで\2,520でした。とは言え、マイコンプログラミングはこれまでにやったことはありません。しかしArduinoには統合開発環境みたいなものがネットからダウンロードでき、それを使って簡単にプログラミングできます。まずは試しにLEDを点滅させるという、簡単なサンプルプログラム(Arduinoではスケッチというらしい)を何処かからもらってきて動かしてみました。


void setup() {
  // initialize the digital pin as an output.
  // Pin 13 has an LED connected on most Arduino boards:
  pinMode(13, OUTPUT);
}

void loop() {
  digitalWrite(13, HIGH);   // set the LED on
  delay(1000);              // wait for a second
  digitalWrite(13, LOW);    // set the LED off
  delay(1000);              // wait for a second
}
書いたら、コンパイルしてUSBでArduinoに接続し転送するだけです。こんなに簡単だとは・・・恐ろしいもんです。マイコンを使ってLEDを1秒間隔で点滅させる・・・。自分で回路作ってたら結構時間かかると思いますが、これだと2~3分で完了です。

LEDをDigitalのNo13とGNDに 直挿し して動作させます。抵抗が無いことが不安でしたが、調べたところどうやらDigital13ポートには内部抵抗1kΩがついているようです。なので直挿しでOK。

LEDを点滅させていても仕方ないので、ロータリエンコーダとこれを使って回転を得ることを考えなくてはなりません。次はロータリエンコーダの選定からです。

2012年7月6日金曜日

EM200B 導入支援装置自作(1)

EM200Bは自動導入装置もなければ、ロータリーエンコーダによるRA/DECの位置を知ることもできないモデルです。自分で星図とファインダーで入れられるのであれば、赤道儀に求めるのはしっかり星を追ってくれる精度なのですが、それでもあると便利ですよね。
カーナビも「んなもん、地図があれば十分だぜ」なんて思ってたんですが、やはりあると便利です。それと同じですね。

そこで、導入支援装置を作っていこうかなと考えたわけです(自動導入ではないですよ、導入支援ね)。以前、ヤフオクにて7万以上で落札されていたような・・・。そんなに出せるならK-ASTECで改造してもらえばOKなのに・・・なんて思いながら、自作すればもっと安く出来るのでは?というのが発端です。

基本的な仕様としては・・・
  • PCにつないで使用する
  • でも、単体でも動作させられると嬉しい
  • 安くしたい。出来れば2万ぐらい。せいぜい2.5万ぐらいまでかな。
  • PCとはUSB接続。さすがにRC232Cは古い。
ってなところかと。マイコンに何を使うか迷いました。PIC/H8/AVRどれにするか?色々とネットを探すと、さすがに同じ事を考えている方はいるんですね。幾つか紹介されているのが見つかりました。

まぁ何でも良いんですが、ロータリーエンコーダを2つつなげ無くてはならないこと、プログラミングしやすいことを考えて、arduino(AVR)を使おうかと思います。arduinoは開発環境も提供されていて、しかもC言語。PICだと場合によってはアセンブラとかめんどくさいことになるかもしれませんし。H8でも良いですが、USB-Serialをつなげてやったりとか面倒なので、全部載っているarduinoでいいやってことにします。価格もarduino Unoならば、Amazonで¥2,520ですし結構安いです。

天体写真とか機材とか

少し以前(2年ぐらい前かな?)から、小学生の頃好きだった天体関係の趣味に再びハマってます。かつては知識も技術も中途半端で、しかも星がよく見える場所へは自力でいけるわけもなく・・・。月と木星と土星を見てその写真をとったりするのが精一杯でした。大人になって自力で空の暗い場所へ動けるようにもなり、少しずつ天体写真も楽しめるようになってきたので試行錯誤の記録をつけようかと思います。

まずは機材の紹介を。

  • 赤道儀 EM-200B
2年弱前にスターベース名古屋で中古を購入。メーカーにて整備したてのものに偶然出会い、即購入。

これを入手する前、星好きの上司にGPDを借りて遊んでました。GPDでもそれなりですが、EM200を手にするとその作りの良さや剛性の高さに驚きます。今の自分にはTemma程のものはオーバースペックかなと。このEM200Bも確か12万円ぐらいで手に入れましたが、必要にして十分だと思ってます。ただ、自動導入はできなくとも導入支援ぐらいはできると良いですね。今、ロータリーエンコーダを使った導入支援装置の自作を画策中です。
  • タカハシ メタル三脚
CATにて中古を購入。三脚って意外と高い。でも、このブツを見るとその値段もわからないでもないですね。
  • 鏡筒 Pentax100SDUF
ヤフオクにて中古品を落札。本当はε160が欲しいけどなかなか出回らないし、程度の良い物は結構高額で落札されているようです。まぁいずれ手に入れるっつーことで気長にお金貯めます。実はこれを手に入れる前に100EDUFを入手しましたが、やはり青ハロがひどく耐えられなかったので即売却。その後これを手に入れた経緯があります。ズボラな私にはメンテフリーな屈折は調度良いのかもしれません。


  • カメラ Canon EOS20D(自力改造)

上司の持ち物です。上司も星好きで(最近はほとんど遠征もしてないらしいが)、上司が自分で改造したものです。改造はローパスフィルタ除去。確かにこれをやらないとあの赤いヤツはなかなか写ってくれません。


他にもオートガイドのためのパソコンやWEBカメラなど細かいものがありますが、それはまたいずれ書こうかと思います。そもそもが筆無精なもので、このBlogも個人的メモといった意味合いのつもりで気がついた時に不定期に書こうかと思ってます。